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クリスマスはクリスティー

亡くなってずいぶんたちますが、私のなかでは今も続いています。11月も半ばを過ぎると、アガサ・クリスティーのミステリーか、あるいはメアリ・ウエストマコットの名で出版されたどれかの本を取り出して、寝る前に少しずつ読みます。

ミステリーとして秀逸なのはいうにおよびませんが、女の心情を丁寧に描いているところが好きです。誰にもかえりみられない老嬢の孤独。熱い思いを隠して冷たくふるまうせつなさ。愛されている幸せからみちびかれる自信。――初めて読んだ20代初めの頃から、30年近くたって、今なお発見があります。

クリスティーと私に共通点があるとすれば…うわー、すごい書き方だ。こんなふうに同じレベルではいえっこないんですけど、相手があまりに現実からかけ離れた人だと全然抵抗ないですねー。たとえばナポレオンと私の共通点とか、篤姫と私の共通点とかいってるようなもの?

えーと、つまり。共通点は、風のサインが効いているところかもしれません。

クリスティーが、想像力で体験をおぎなって、あらゆる立場の人の感情を再現して、しかも客観的に表現できるのは、風のサインが効いているからだと思います。そして、みずからのつらい体験をも、まるで他人の経験であるかのように、客観視して描けるのも風のサインの特徴でしょう。

今のところ(笑)遠く及びませんが、がんばろう、私も。ちなみに今読み返しているのは「葬儀を終えて」。夢を取り戻すために殺人を犯してしまう、哀しい老嬢のお話です。この「老嬢」という日本語訳は、けっこう好きみたいです、私。「赤毛のアン」か「若草物語」で覚えたと思うんですが。

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