亡くなられた方のホロスコープ。
死の瞬間のホロスコープを見ることで故人の一生をたどり、
じゅうぶんに生ききったかどうか、悔いが残る部分があるのかなど
読み解くことができます。
→あちらへ帰る図*
→キヨシローが逝った*
→読むことがご供養に*
先日、Nさんから亡くなったご両親のホロスコープ鑑定を依頼されました。
比較的早く亡くなられたお母さまと、長寿を全うされたであろうお父さま。
Nさんはご自身がお母さまの亡くなられた年齢になることから、
この機会にと鑑定を申し込んでくださいました。
お母さまの亡くなられた瞬間のチャート――
若くして亡くなられたのに、意外にもやりたいことは存分にやりました!という感じ。
ただお子さんたちの行く末を見届けたかったような、そんな心残りが感じられます。
お母さまの出生図もつくらせていただいて
「えーと、この方は…」と、私の口をついて出たのは
「今の時代なら女優さんとか。それも知的で文化人的な。華やかで目立つ仕事をしていらしたかもしれませんね」
「先生! 母はアナウンサーだったんです!」
戦後当時の女性アナウンサーですから、
現代よりさらに高い知性と美貌を要求される、いわば女優的な側面もあったことでしょう。
少し後の時代ですが、野際陽子さんのような方もいらっしゃいますし。
お父さまも戦前からアナウンサーとして活躍していらしたとか。
内面は非常に聡明で理知的でありながら、
語り口は情で包み込むような優しさにみちた方であっただろうことが
チャートから読み解けました。
逆にお母さまは、てきぱきと明るくいかにも才女のようでいながら、
意外に涙もろかったりご家族をとことん大事にされたであろうことも。
お父さま、亡くなる瞬間がちょっと苦しかったような…
「そうです、その通りでした」とご両親を看取られたNさん。
もちろん大きな流れとしてはお父さまは満ち足りて
その命を全うした喜びを感じて逝かれたようです。
でもどれだけ長寿をいただいて天寿を全うしても、
私たちはあちらへ帰ることを潔く受け入れられず、どこかに悔いが残るのが
自然なことのように思います。
そして、
「このご夫婦はね、宵越しの金は持たない妻と明日のためにコツコツ貯金する夫です」
「大当たりです!」とNさん、大爆笑。
翌日いただいたお礼メールのタイトルは「宵越しの金を持たない母の娘より」でした(^^)
自分をこの世に生んでくれた親を亡くすのは、
本当に大きな喪失感を伴う出来事だと思います。
ときには何年も昇華できないことがあるでしょう
(ある方は70歳を超えたある日ようやく「5歳で亡くなった母を許せた」とおっしゃいました)。
Nさんは、ホロスコープによって、
ご両親がどんなふうに生まれ、生き、
そうしてあちらへ帰って行かれたのかたどることで安らぎを得て、
今後のご自身の人生と取り組んで行かれる勇気と希望も得られたようでした。
(Nさん、大切なご両親のホロスコープを私に読み解かせてくださって、
こうしてみなさんにご紹介させていただくことをご了承いただき、ありがとうございました)
ご両親、ご家族、ひいてはご先祖様に思いを馳せて、
感謝とともに祈りを捧げる季節が今年もやって来ました。
今日は震災からちょうど4カ月。大きな数字を見ると衝撃を受けます。
そして亡くなられた方たちは一人ひとりが
誰かの父であり母であり息子であり娘でありまた友であったことを思うと、
さらに衝撃を受けますね。
でもこの「一人ひとり」を忘れないことがご冥福を祈ることにつながるとも思うのです。
苦しい夏ですね。でもいつか必ず、穏やかな夏が来ることを信じます。諦めない。
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