勇気と希望と、半年分の生活費。
私は25歳のときフリーランスになって、国民健康保険と国民年金の手続きをしました。
当時、国民年金は保険料を40年間納めて月5万円、と聞いて、こんなの払ってもしょうがないかも…と思いました。
でも、私より少し早めにフリーになった友人から「年とって稼げなくなったとき、毎月5万円ってありがたいと思うよ。いま払う保険料なんてたいしたことないじゃん」とさらりといわれて、それもそうだなと思い、以来毎月(年払いなので毎年)ちゃんと保険料を納めています。
彼女は毎月3万円ずつ天引きで積み立て預金をしていました。ある程度貯まったら貯金しようと思ったらいつまでもたまらない。最初からなかったことにするのが一番。ということで、さっそく、私も真似して(一人暮らしだったので8000円ぐらいが精一杯でしたが) 銀行で手続きをしました。
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率直に書きますが、若いうちは何も考えていませんね。考えて心配していたら人生を開拓できないのでそれでいいのです。ですが、私は友人のおかげでちょっとだけ「そのとき」を想像してみる、ということを知ったわけです。
目先のトクをとらないで、将来を想像して、長期的に人生を組み立てる、ということをコピーライターの先輩でもある彼女から教わったことになります。
いま、国民年金はたしか65歳から6万数千円ですね。長い間納める保険料とくらべて割に合わないと思う人もいると思います。でも、私は亡くなった夫が障害年金をもらえて本当に助かったので、掛け捨ての障害保険と考えたら、こんなのは民間ではありえない。むしろ、ものすごくおトクなのではないかと思っています。
預貯金も、毎月なかったことにして貯めていく3万円は、1年で36万円、10年で360万円。あれから30年たちますから、1千万円を越えます。私は途中でやめてしまいましたが(8000円という中途半端な額を途中でせめて1万円にすればよかった…) 仮に8000円の積み立てを30年続けていたら288万円になります。
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なぜ、急にこんなことを書いているかというと、このところ、会社をやめてノマドとかフリーランスとか起業とか何とか、そんなようなことをしたいという方たちが複数いらしたからです。それと、貯金とか保険とかのご相談も重なりました。
チャーリー・チャップリンの名言に「人生に必要なのは、勇気と希望とほんの少しのお金」があります。勇気は火のわくわく感、希望は未来を見通す風の力、お金は現実力の土。そして、応援してくれる人たちに応えたい気持ちが水成分になりますね。
「ほんの少しのお金」がどのくらいかは環境や時代や国によって、また個人のかかえる事情によって違ってきます。
たとえば起業なら、大体半年か、できれば1年分の生活費の貯金があって、会社員時代の3倍以上の収入が見込めるなら挑戦すべきと思います。仕事への投資の貯金と、生活費のための貯えはきっちり分けて区別すること。独身か既婚かはあまり関係なくて、むしろ子どもの状況が影響すると思います。
あなたの夢を実現するために、どうか「ほんの少しのお金」をおろそかにしないで。過度な節約や貯金は手段なので目的になってしまったら本末転倒ですが、先立つものはどんなときにも役に立ちます。
(なぜか実家の小屋にあった看板。父のコレクションかもしれません。日本語は右から読みますが、英語は左からなんですね。)
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