冥王星は必ず再生を経験できる星。
公転周期から考えると、天王星あたりが平均寿命になります。あ、この平均、の意味はここでは深く解釈しないで、とりあえずなんとなく、寿命を全うするあたりということで。
さて、ということは、私たちは天王星ぐらいまではどうにか使いこなしてみたいわけです。若いうちは怖かったり煙たかったり痛かったりする土星は、30歳前後になれば意識して使いこなせるようになります。
しかし。
海王星と冥王星は、今のところ私たちの寿命を大きく超える存在です。海王星のあやふやな霧のような力は、真綿で首をしめられるような苦しさですし(向田邦子さんの「消しゴム」をお読みください) 冥王星は、これはもう、ゼロか100かで勝負。生きるか死ぬか。ここを超えないと、次がない。いわば強制的なリセット。
☆
出生のホロスコープに冥王星スクエアを持つひとなら、あるいは、トランシットで冥王星スクエアを経験したことがあれば、思いあたるでしょう。
さんざん苦労してようやくたどりついて、うまくいきそうだったことが空中分解して、強制的に分断されてリセットがかかる。
人は、たいていのことではなかなか死なないけれど、冥王星スクエアは生き死にをともなうリセットを何度も経験します。場合によっては、合とかオポもそうですね。
(余談。先日占い師仲間の不動宮マターで「死なないから大丈夫」ということの是非が話題になりまして…私は、天道先生の人相術で「死相」について教わって以来、どんなひとであっても死なないとはいえないことを痛感しています。)
☆
さて。
どんなふうに人生がリセットされるかは、冥王星のハウス=原因、スクエアの天体のハウス=結果。として、天体の意味から読むとわかりやすいかもしれません。
たとえば、2ハウスの冥王星と5ハウスの月がスクエアなら……、
経済的なことや自分の資質が原因で(2ハウス)、
素顔の自分(月)が生まれてきてよかったと心底実感できることを全開で楽しむことをいきなりぶっつり切られて分断される(5ハウス)結果になる…というように読んでみてください。
太陽なら、好きなことを仕事にしようとしてうまくいっていたと思ったら、急展開してすべてが駄目になるとか。冥王星なので、暴力的なほど唐突で、周囲からは理解できないほど徹底的で、生まれてきたことを呪いたくなるほどのターニングポイント。あまり具体的に読まないのもコツですね。
(昨日のtweetから少し解説しながらまとめました)
☆
しかし、冥王星は「死と再生の星」です。
リセットは死です。しかし、次の生がある。自動的な再生ではなく、みずからもがき、苦しみ、たくさんの手段を工夫して這い上がり、「再生」して人生をバージョンアップする。
身近なところでいえば、私たちは毎晩眠ります。眠りは小さな死です。翌朝目をさましたときの自分は、昨夜とはちがっていて、少しだけ生まれ変わっているのだと思います。
冥王星による痛みを経験している方は、じっと辛抱するだけでなく、リセットしてどんなふうに生まれ変われるかに思いを馳せてみてください。
そしてホロスコープを読むときは、死だけでなく再生の要素も必ず入れてくださいね。
間違っても冥王星を呪ったりしないように^^
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