水瓶座は個性的か?
>水瓶座には、「個性的」と「普遍的」とパッと見、矛盾するような性質があって、 それは、それぞれが「個性的」であるという価値観を「普遍的」にしたい、ということでしょうか?
こんなご質問をいただきました(ちょっと書きかえましたが、だいたいこんな感じ)
一言でいえば「個性的」であることは、「普遍的」であることの結果のひとつにすぎない、というのがお答えです。
12サインの理解はどこまでも果てしなく、プロになってもたびたび考えることがあります。とてもいい質問なので、もう少しくわしくこちらで答えてみましょう。
☆
牡羊座から始まって山羊座に至るサインのすべてが含まれる私たちの社会は、たくさんの「常識」という名の共通概念の上に成り立っています。平和に穏やかにここちよく社会生活を営むお約束といってもいいでしょう。
平和に穏やかにここちよく過ごすためのお約束は、やがてマンネリ化し、あたりまえになり、面倒になり、いつしか多くのお約束が形骸化していく。
どんなものでも安定させるために動き回り、最もよいところを探し当てて、ひとたび安定したとたん腐敗が始まるというのがこの世の法則です。
ですから、それも当然というか、仕方ないことではあるのです。
山羊座30度のサビアンシンボル「秘密会議」はこの世をはるかに見渡す力をもった男たちの会議です。
この社会をどう運営するか。ここまで来てしまって、多くの大切なお約束が形骸化して、みんな倦んでいる。それでも社会を継続するのだというシニカルな笑いにみちた会議です。
☆
そして、山羊座がかためた土の世界(牡羊座から始まったここまでの火と、風と、水のすべてによってできている強力な土のかたまり!)は、水瓶座という強力な風が吹き渡ることによって見事に解体され、塵芥となってバラバラに散っていきます。
風サインは決して一カ所にとどまらず、散らす性質を持っています。
水瓶座は風の不動宮です。常に一定の力を持って世界をまんべんなく吹き渡る風です。双子座のように好奇心のおもむくままに吹いたり、天秤座のように他者との関係をつなげるために吹いたりするわけではないのです。
常に世界を見渡しながら吹き渡る。その視点は、一見、山羊座と似ています。
☆
しかし、山羊座はあくまでこの世界を集団を現実的に運営するために全体を見ます。
水瓶座はこの世界のなかで決して変わらない普遍の真理はあるのかを探るために全体を見ます。
山羊座が集団運営のために全体を見るとすれば、水瓶座は決して集団に属さないために(むしろ集団を壊すために)全体を見るのです。
人種も国籍も言語も性別も貧富の差も美醜も、それから、およそ考えられる差異のすべてに意義を唱え、すべての人が魂という存在として平等なのだと水瓶座は考えます。
集団にとらわれないとは究極のところそこへ行き着くのでしょう。
☆
当然、水瓶座の価値感は牡羊座から山羊座までの人々、つまりこれまでの社会からは、なかなか受け入れられません。
変わり者、変人、突飛で浮いている……実際、つい最近までこれらが水瓶座世界への評価だったのです。
わたくしごとですが、以前、水瓶世界を生きた祖父について呟いたことがあります。明治生まれの祖父は、静岡県の山奥から横須賀へ出て若き日を海軍で過ごし、その後長野で製糸工場をつくったり、東京でヴァイオリンの流しをやったり、郷里である浜松へもどって証券会社をつくって、倒産したあとはようやく故郷の山へ帰って村長になり、革新的な政治をめざし……体調を崩した土星期からはようやく山羊世界にもどって先祖伝来の山林田畑を守って一生を終えました。
水瓶座の普遍性は、10番目のサインである山羊座までに完成された社会の常識をハミ出て、上を行く世界です。ちょっと前までの時代は、私の祖父のように(一目置かれたといえば聞こえはいいのですが)要するに、かなり「変な人」扱いされていたわけです。
☆
今となっては水瓶座には、個性的、オリジナリティ、自由や未来イメージ、革新的、博愛、フレンドリーなど、時代にふさわしい言葉がたくさんあてはめられています。
これらはすべて普遍的であることのひとつの結果にすぎない。普遍の真理をめざす水瓶座がどんなふうに見えるか。他者からの評価の一面にすぎないのだと思います。
(
「個性的」という便利な言葉が一般的になったのは70年代終わり頃だったと思います。冥王星獅子世代が土星獅子の時期に当時の平凡出版=現マガジンハウスが「ファッション」を大々的に発信してそのなかで出てきました。信じられないかもしれませんが、このあたりまで「ファッション」という言葉すら一般的ではなかったのです。
)
ですから、水瓶座に限らず、12サインすべてが、その本質をあらわす、その時代にふさわしい言葉をこれからもどんどん新しくあたえられていくことでしょう。
占星術を学ぶ身としては、常に時代と併走することを忘れてはならないと自戒しています。日々是精進。
→このあたりもサイン理解のご参考に。
水瓶座の孤独。→*
→水瓶座とごっちゃになりやすい山羊座についてはこのあたり。
山羊座の美徳。→*
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さて。明日は「水曜トナカイ12か月講座」の日です。
今月で第10回目。いよいよ総仕上げに入りました。9名の受講生がそれぞれ「占い師」(プロだけが「占い師」とは限らない)をめざしてラストスパートです。上記のご質問も受講生の月水瓶さんからいただきました!
→水曜トナカイ12か月講座のブログ。*
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→なぎやきょうこブログ「ホントのジブン」の見つけ方
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