個人レッスンや講座の生徒さんたち、たいていは同年代から下の方たちなので、教えている側もいろいろ勉強になります。
たとえば私が占星術の勉強を始めたとき「惑星記号」「サインの記号」などを覚えるのに、10回書いてみて、自分でテストして、再び10回書いてみて……みたいなことをやっていたわけですが。あれですね、いまどきの方たちは占星術初心者さんでもすでにご存じ。
「セーラームーン以降はみんなそうです~」と言われて、そうなんだ!と納得しました。惑星記号が女の子たちの基本常識になっている!(ということは、占星術のベースに親しんでいる世代が育っているのね、このお話はまたいつか)
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えーと。それで、占星術の勉強を始めて、ちょっとチャート(ホロスコープのこと)が読めるようになってくるとうれしいのよね。「土星のせいでこうなった!」とか「あのときのあれはトランシットが!」とかいっぱい話したくなります(^^)
私はそういう会話の内容が厳密に正しいか間違ってるかはあまり問題ではないと思っています。そうやってふだんの生活に占星術がなじんでいくことが大事だと思うので。ちょうどセーラームーン世代にとって惑星記号があたりまえであるように、ね。もちろんよっぽど見当違いなときは注意しますが。
でね、そういうなかで……ときどき「ん?」と思うことがあるのです。
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たとえば人生をあるていど左右するような出来事が起こったとき。
「金星逆行でとりかえしのつかないことが!」「水星逆行で絶望的になりました」「月が山羊座に入ったせいで!」とか……。もちろん、わずか28日ないし29日で空を一周する月であってもトリガーになることはあります。たとえば十代や二十代前半ぐらいまでならそれもよくあるかもしれません。
ですが、太陽期以降、土星回帰を終えたいい大人が「月のせいで!」って、それはちょっとどうなの?と思うわけですね。
もっと、チャートをよーく見てごらん、と言いたくなることがよくありまして。
少し落ち着いて俯瞰してみれば、たとえば同じ月でも「そっかー、進行の月がこうなってたのね。トランシットの土星がこうなってるから……そっかー」などということに……(これは毎月第4水曜に行っている基本読み練習講座でよくあるお話)
しかし、さらに問題なのは、本気で「月のせい!」「水星逆行のせい!」「金星が!」と思っていて、実際、ある程度の年齢になっているのに公転周期の早い天体の影響をもろに受けてしまっている場合。
惑星には年齢域があります。年齢に合わせてその惑星意識をじゅうぶんに開発し、味わい、使いこなしていないと、年齢だけ大人になっても、意識は子どものまま、少女のまま……ということもあるのですね。
勉強中にこのことに気づいて、惑星意識をおさらいして、再開発にのぞむ方も、実は、多いです。
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わりとお話ししていることなので、ご存じの方も多いでしょう。今となってはこんなふうに偉そうに言っていますが(山羊土星回帰間近なので、意図的に)
わずか10年前、40代後半にもなって「冥王星スクエアで月がズタボロ!心に穴が空いている(実際この読みは正しい)私って悲惨」「天王星オポ火星スクエアの金星って一生安定と縁遠くて(実際この読みは正しい)あまりに不幸!」と嘆きまくっていたのは私です、はい。
そんな私に「2回も結婚して子どもも授かって仕事でそれなりに成功して…十分幸せだよ?」「月と金星が水サインならもっと恨み辛みでいっぱいになったんだろうけど、風サインだから諦めないで仕事で昇華してきたんだね、よかったね」(意訳)とおだやかに諭してくれたのが、現トナカイまつい店長だったのでした。
というわけで、私は木星期に入ってから、金星期、太陽期、火星期をおさらいして、さらにズタボロの月をそのまま受け入れることができました。
そうしてあらためて周囲を見まわしてみたら、そういう人は私だけじゃなかった…そうなんだ…。
人生は間に合います、本当に。
(しかし、超速で間に合うかどうかは水星の習熟度が密接に関係しています。このあたり気になる方は鑑定でおたずねください。あなたの人生も私の人生も、まだまだ終わらない。)
(大根の薄切りに失敗したみたいな昼間の月。失敗しても美味しくて、むしろ食べやすかったりして。ね。)